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買うときに、「いつ売るか」を考える

 

興味深いデータがあります。

 

不動産情報サイト大手の「アットホーム」が昨年、30代・40代の男女618人に対して“実家に対する思い”に関する調査を行いました。

 

「今後、実家の家や土地を、誰かが継ぐ予定がありますか?」

 

「はい」は33.2%、「いいえ」が41.9%となります。

 

不動産は、「子や孫に引き継がれるもの」といわれていました。

 

現代では、子どもやご家族が、相続するとは限りません。

 

「そんなこと言ったって、使わないなら売ればいいじゃないか」。

 

ただ、売りたくても売れない場合もあるのです。

 

 

 

もうひとつデータを紹介します。

 

仮に30年・3000万円・変動金利年0.625%・元利金等払いで借入れしたとします。

 

10年支払った段階で、元金はいくら減っていると思いますか?

 

答えは約800万円です。

 

ということは、仮に10年後に物件を売却する場合は、購入金額3000万円-10年間で支払った金額800万円=2200万円で売らないと損になります。

 

「もう、この家に住まないから損してもいいから2000万円で売っちゃおうよ」となったとします。

 

お金を貸した金融機関が間違いなく待ったをかけます。

 

「だったら損した分、あなたが負担してくださいよ。商売だから損したくない」と言うのが理由です。

 

もちろん10年の家賃分と考えて、損した分を補填することも判断としては「あり」です。

 

ただ不動産相場が下落していて、2000万円でも高くて売れない状態だったら…。

 

 

 

マンションをご案内しているとお客様から、こういう意見を聞きます。

 

「ずいぶん空室があるようだけど、何で売らないんでしょうかね?」

 

●「相続してくれるかもしれない」という親の期待、●相続したが住む気がない●売りたいけど、ローンが重荷になっていて売れないが家庭の事情で引っ越した、と言うことが多いのです。

 

「売りたくても売れない」というのが、今、不動産所有者の大きな問題になっています。

 

 

 

新居購入を検討している方には、恐縮な話をしますが、「そのマンションをいつまで住むか」ということを意識して欲しいのです。

 

住宅ローンを組む場合、その年にいくら元金が減っているか、把握しておくことです。

 

そして「住んだ後に、この価格で販売して売れますか?」と不動産会社に聞けばいいのです。

 

「先のことは誰もわからないですからね」

 

買う人だけでなく、売る人も、普通に言います。

 

私見ですが、マンションの物件価格は、新築時が頂上で、50年後まで直線的に価値が下がっていき、最後は土地価格になると考えています。

 

そうすれば、手放す時期の物件価格の想定・仮定はできます。

 

一瞬でもイメージすることで、不測の事態を避けられるだけでなく、その物件価格が高いか、安いかも見透けてくると思います。

 

 

 

□住む期間が決まれば、販売価格が妥当か?が見えてくる。



パート・アルバイトなど非正規雇用のマンション購入


借り入れ期限前に払い終わる人がほとんど