住宅ローン用語で「元利均等払い」「元金均等払い」というものがあります。
まず「元利均等」ですが、「元金(借入金)と利子を合わせた金額を月々平均にして支払う方法」です。
1回目から、最後まで、家賃のように支払額が一定なので資金計画が建てやすいです。
ざっくり言えば、「住宅ローン版リボ払い」です。
実例を挙げます。
固定年利1%・1000万円・30年(360回)・元利均等で借りたとします。
月々の支払いは32,163円で、ずっと変わりません。
支払い総額は32,163円×360回=1,157万8680円です。
金融機関では大体ここまで説明しますが、ここから深堀をします。
最初の1回目の支払いの内、利子分はいくらだと思いますか?
約8,333円です。
3万円以上払っているのに、元金は24,000円弱しか減っていません。
次に、借入れ金額が半分の500万円になるのはいつでしょうか?
15年後、といいたいところですが違います。
190回を過ぎた17年目前半ぐらいで半分支払いが終了します。
その頃、1ヶ月分の利子支払額は約4,150円となり、28,000円強が元金に回ります。
元利均等だと、支払当初は、利子分の支払いが多いことがわかります。
次に、利子は支払当初が一番高く、以後直線的に減少することもわかります。
試算は低金利を基準にしていますが、金利が高くなると、支払いの半分以上が利子ということもありえます。
「最初は利子ばっかり払っている」とぼやくことになるのです。
さて、「元金均等払い」ですが、「元金(借入金)は最初から最後まで変わらずで、利子は別に請求します」というものです。
前記と同条件で元金均等で試算します。
まず元金の月々の支払額ですが、1000万円÷360回=約27,777円になります。
この額に、利子の約8,333円を足した約36,111円が最初の月の支払額になります。
借入れ金額が半分になるのは15年後です。
その月の支払額は約27,777円+利子約4,150円=約31,927円です。
月々の支払額は最初が一番高く、以後27,777円まで直線的に減少します。
比較するとわかることですが、元利金等のほうが、元金(借入金)の減りが約2年も早いことがわかります。
利子は、借入金を基に算出しますから、元金の減りが早いほうが、利子を抑えられます。
2つの違いを説明しましたが、多くの方が「元利均等」を選んでします。
私見ですが、理由は「金融機関に支払額が毎月決まっていてラクですよ、言われたから」が多いと思います。
前記の1000万円借りる試算の支払総額ですが、元利均等は11,579,023円、元金均等は11,504,167円です。
その差、約75,000円です。
低金利の今は、元金均等のほうが、その優位性をより発揮できるのです。
多くの方が、このような数字の綾を知りません。
何ででしょう?
その方がお金を貸す側からすれば、都合がいいからです。
□元利均等だけでなく、元金均等も試算する。
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