「フラット35」という言葉をご存知の方も多いはずです。
テレビCMも放映され、各金融機関にもチラシやポスターに文字が躍ります。
一般公募で決まった名称ですが、その名の通り「35年間まで固定した利率で支払える住宅ローン」です。
以前は、国家機関である「住宅金融公庫」が実施していた「一般住宅融資」がありました。
同金庫は、郵便局で借りた金を元手にして、「家買いたい人は貸すよ」って商売をしていました。
でも借りた利子より安く国民に住宅資金を貸したり、お金を持ち逃げされたりで、大赤字になりました。
郵政改革をした小泉政権の時、「赤字出してまでやるなよ!」となって廃止。
独立行政法人(国が管理する団体)・住宅金融支援機構が受け継いで、生まれたのが「フラット35」な訳です。
新制度では、前回の反省を踏まえ「国家主導のクラウド・ファンディング(不特定多数による出資)」で元金を集めています。
各金融機関の住宅ローンとフラット35の主な相違点を見てみましょう。
まず、金利や事務手数料などが、まちまちであること。
なので、フラット35同士を比較・検討することが必要です。
物件がお金を貸すときに担保になるかを確認する「適合証明書」が必要であること。
なので、築年が経っているマンションは使えない場合があります。
審査が、受付した金融機関と、住宅金融支援機構の2回審査を行うこと。
金融機関だけでなく、お金を貸し付けることに特化したモーゲージ系企業も取り扱っていること。
などでしょうか。
また「耐震性や省エネルギー性が高い物件だから、少し優遇しますよ」というフラット35Sというのもあります。
借入れ期間の長短が選択できるフラット20や50、二段階返済が可能なダブルフラットなんてものもあります。
ここでフラット35にまつわるニュースをお伝えします。
『フラット35、民間の審査に甘さ 検査院が指摘』【日本経済新聞・平成24年10月19日】
簡略して説明すると、「怪しいお客だけど、国が後で審査するから審査通しちゃえ」という金融機関があったということです。
理由は、フラット35で貸した金を持ち逃げされても、窓口の金融機関は痛くもかゆくもないからです。
当然ながら融資金を騙し取る詐欺事件が横行しました。
その折、国の金回りを精査する会計検査院が、「また仕出かしてるのかよ!」とキレた訳です。
では、これから住宅ローンを考える人は、フラット35をどう考えればいいのでしょうか。
まずは「金融機関の住宅ローン」から審査をします。
確かに金利を見れば魅力ですが、諸経費など鑑みると、疑問符を打ちます。
もし落ちた場合には「フラット35」です。
または審査に際し、不安要素がある方は、初手に使います。
フラット【flat】とは、平らとか、その様などの意味があります。
でも音楽用語【♭】では、『半音下がる』と言う意味です。
通常より半分下がっているのがフラットです。
□ふらっと安易にフラットを決めない
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