不動産のチラシを見ると、「頭金なくてもマンション買える」「手持ち資金ゼロ」などの言葉が踊ります。
そこまで味付けが濃くなくても「僅かな自己資金で」「10万円だけご用意を」というのもあります。
なぜそんなことができるのか?と言えば、住宅ローンを使用するからです。
「無くても借りられるから大丈夫ですよ」と言うわけです。
では見方を変えて、住宅ローンではまかなえない、住宅ローンでは認められない資金とは何でしょうか?
もちろん、金融機関や住宅ローンの種類によって判断はまちまちですので、ご了承ください。
まず「手付金」です。
このお金は、住宅ローンが承認を得て、お金を出してもらえる日(決済日)よりも前に行う「売買契約」で、ほぼ必要なものです。
手付金は、売買物件の価格の一部に補填されるのですが、現金での支払いとなります。
値段は購入価格や物件によって、まちまちです。
ただ、どんなことがあっても10万円以上は必要でしょう。
次に契約書に貼る印紙代です。
不動産を売買するとき、購入内容で売り側も買う側も納得してやり取りしました、という証明書を作ります。
これが契約書です。
そして、お互い責任を持ってやりますよ、という誓いをこめて、国に上納金を払います。
これが印紙代です。
こちらも物件の売買価格によって、貼る印紙代が決まっていて、仮に3000万円の売買ですと10,000円です(優遇込み・平成28年9月現在)
その後、銀行ローンを本申込するわけですが、その際の事務手数料も手持ち資金から捻出しなければなりません。
正式にお金を借りられるとなったら、「お金を借ります」という契約書に、印紙を貼るので、その費用も必要です。
住宅ローンを借りる場合、「マンションが火災で、住宅ローンが払えない…」とならないために、火災保険に入ります。
これも持参金で対応しなければなりません。
また、申込者は亡くなったり、重い障害になり仕事ができなくなったら、残りの住宅ローンを返済する団体信用生命保険の費用負担も考えられます。
さて、やっと審査も終了、お金と物件の鍵のやり取りをする決済日を迎えます。
「夢のマイホーム」が現実となり、まずは引越しとなります。
転居の費用は住宅ローンでは払ってもらえません。
もちろん新居で使う家電・家具、自動車代も範囲外です。
これ以外にも「登記費用(自分がこの不動産を持っています、と法務局と言う国の出先機関が持っている台帳に書き込む費用)」だったり、不動産会社の仲介手数料なども認めてくれない金融機関はあります。
ざっくり書きましたが、住宅ローンは「住宅(不動産)を買う」以外のことは認めてくれません。
だから、財布に何も入ってません…では購入できるとは言いがたいです。
金融機関は「本体価格」のみ借りてくれよ、というのが本音です。
それ以外の費用も借りたいとなれば、「本当にお金返せるの?」と金融機関が疑いの目で見ることも事実です。
ただ、以前に比べれば格段に門戸が広がっていることも事実ですので、金融機関と不動産会社にしっかり説明を受けることが必要でしょう。
□新居に住むまでに、現金はいくら必要か、書面で確認する。
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