背後に山地をひかえ、南は相模湾に望んでいるので、一年を通して気候は温暖。
夏は東京より涼しくて冬は東京より暖かく、雪が降ることはめったにありません。
黒潮の影響を受けた温暖な気候と適度な雨量が、生活の快適さだけでなく、梅やみかんをはじめとした多くの農産物の成長を支えています。
上記は小田原市のホームページに記載している『小田原の魅力』というくだりです。
小田原で雪が降り、しかも積もるというのは「稀」と言っても過言ではないです。
私が小学校の6年間の内、雪が積もったのは2回。
その時の児童の狂喜乱舞ぶりは、すさまじく、給食が半分以上残ると言う非常事態が起こったほどです(昼休みを我慢できず、4時間目終了と同時に外に遊びに出たため)。
地元の人は「箱根山が雪を落としてくれるから、小田原に雲が来るときには雨になる」ということを言います。
実際は、同地を覆う太平洋側気候が、雪にさせないというのが本流のようです。
より体感的な話をします。
「関東地方に降雪の可能性」という天気予報が出たとします。
「絶対に降る」という関心まで行かないレベルと想定してください。
以前働いていた横浜市青葉区は、ほぼ確実に降りました。
会社の先輩が「青葉区は横浜のヒマラヤ」と言っていたことを思い出します。
同じ頃、相模原市中央区も雪でした。
町田市も雪でした。
川崎市幸区も雪でした。
藤沢市も雪でした。
厚木市も雪でした。
相模川を西に渡るとミゾレになります。
それでも秦野市もミゾレぎみの雪でした。
そして小田原は冷たい雨でした。
ウキペディアの『小田原市』の項目を見ると、平均気温が記載されています。
最高気温の月平均が30度を越えることは無く、最低気温が10度より下がることはありません。
埼玉県・群馬県のように都心部のヒートアイランド現象を受けるわけでもないので、極端な温度変化も無いのです。
短期で見れば、暑い・寒いがあると思いますが、時間に経つにつれ、寒暖はあまり気にならなくなります。
ようは「過ごしやすい」のです。
昔から小田原市は「避暑地」であり「保養地」でした。
「海よし、山よし、天気よし」というのが、昔の小田原のキャッチフレーズでした。
当時は、温暖化なんて皆無の時代ですから、江戸・東京は「寒い」のです。
だから、都会で仕事や家庭や色恋沙汰でぐちゃぐちゃになった作家や政治家が、こぞって小田原に避難しました。
人間つらくなると、「東京から寒い東へ」とは行かないのです。
せいぜい、津軽海峡を渡る女性と、函館にはるばる来た男性ぐらいです。
大抵は、暖を取るために西に向かいます。
いざ西進しても、箱根山を登りきる体力も無いので、「この辺暖かいから、ここでいいや」となり、小田原に定住するのです。
他のエリアから、小田原へ移住を考えている方は、今住んでいる場所との平均気温の差を確認してみてください。
□小田原の暖かさは北原白秋など過去の文人が証明している。
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