マンションの話で、はずせないものがあります。
居住用ではない、『リゾートマンション』です。
小田原の周辺部、箱根・真鶴・湯河原・山北には、別荘やセカンドハウスとして利用できるマンションがバブル前後にたくさん建てられました。
特に場所によっては、『温泉』が引き込めることもあり、人気を集めました。
ある方は週末のセカンドハウスや別荘として、ある方は会社としての保養所として、ある方は湯治目的に。
かなりの山間部にも、高層マンションのようなマンションが建っているケースもあります。
しかしバブルが崩壊、長引く不況が続き、今は平成28年。
リゾートマンションを所有するオーナーさんは、厳しい現実を突きつけられています。
まずは『リゾートマンション』というものにニーズがなくなり、再販率が下がってきたこと。
企業が保養所代わりに、購入していることが、リゾートマンションの販売の下支えになっていました。
箱根を中心に展開していた保養所自体も、閉鎖傾向が強いわけですから、リゾートマンションを保有している企業が売却するのは無理もありません。
加えて、ホテルや旅館が低価格化したこと、日帰り温泉が充実したことで、『マンションを所有する』ほどでも、なくなったのも大きいです。
箱根で言えば、小田原市内全域よりも、販売物件数が多いのです。
そして、何より大きいのが『修繕積立金・管理費・温泉使用料』です。
リゾートマンションの場合、娯楽施設の維持運営のため、前記3つの使用料は高くなっていることが多いです。
そして大浴場や、各部屋への温泉供給のために、居住用マンションより経費はかさみます。
これが築後20年となれば、さらに建物・設備に痛みも出てきます。
特に給水系統は、温泉を流しているので、水道水を流す以上に痛みがひどくなります。
箱根に関して言えば、これに雪の寒さなども考えなければならないので、施設には厳しい環境です。
箱根のガス会社からは「給湯器がよく壊れる」と言う話を聞いたこともあります。
建物に修繕費がかかる→修繕積立金・管理の値上げ、または娯楽施設の閉鎖という経路ができてしまいます。
よく、リゾートマンションを内覧すると、「昔はゲームセンター」とか「昔はサウナ」とか「昔はテニスコート」というのを目にします。
きつく言えば、「お金が無いから、維持できない」のです。
ということは、必然的にマンションとしても魅力が落ちてしまうわけです。
結果的に、箱根の場合は箱根駅伝のときだけ、湯河原・真鶴の場合は、サマーシーズンだけ利用するということになってしまうのです。
では現在は、リゾートマンションの状況はどうなっているのでしょうか?
完全なる二極化です。
「湯質がいい」「観光地へのアクセスが良い」「箱根駅伝を部屋から見える、ゴールが近い」などの優位点があるところは、今でも人気は高いです。
逆に昭和築で、交通アクセスが悪い場所の場合、『10万円』などでやり取りされているマンションもあります。
「何ならタダでもいい」という物件もあります。
なぜでしょう?
修繕積立金・管理費が高いからです。
10万円のマンションを買っても、月々の管理費などが5万円と言う物件があります。
見方を変えれば、「お買い得」に見えるかもしれません。
でも月に一度も住まなかった部屋にも無論、しっかり管理費・修繕積立金はかかります。
思案をしてから、購入したほうがいいでしょう。
□リゾートマンションは、月々のランニングコストを確認する。
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