文化財包蔵地は「昔から人が住んでいた証」

 

私たち、不動産会社が不動産を売買する場合、『重要事項説明』というものを発行します。

 

これを基に、物件いついての調査報告をします。

 

買主は、この情報を踏まえ、納得したら、契約へ移るわけです。

 

そのなかで、『文化財包蔵地』に指定されているか?いないか?という項目があります。

 

聞きなれない言葉ですが、意味合いは伝わると思います。

 

「その不動産の地中に、文化財が埋まっているかもしれません」ということです。

 

 

 

小田原は、昔から城下町として発達しましたから、昔の城郭内は、包蔵地になります。

 

ブラタモリの小田原編でもやっていましたが、荻窪や城山の一部は『国指定史跡』と言う場所があります。

 

でも包蔵地の対象は、戦国時代だけでしょうか?

 

答えはノーです。

 

縄文・弥生時代の土器などが発掘された場所も対象になります。

 

久野には古墳があり、小田原市民は小学校の遠足で行かされた記憶があるわけです。

 

また南足柄市塚原は、ほぼ全域が包蔵地です。

 

 

 

マンション購入とは外れまずが、補足のため加筆します。

 

もし『包蔵地』で建物を建てる場合、どうすればいいのです。

 

包蔵地だから、建てられないこともないですし、すべて発掘調査をするというわけではありません。

 

「この場所に建物を建てたいんですけども…」と、役所に届け出ます。

 

小田原市の場合、文化財保護課が窓口になります。

 

そこで、調査の上、『発掘調査』と『工事立会』のどちらかの判断となります。

 

発掘調査となった場合、個人所有の住居建築の場合は、調査費用は小田原市が負担します。

 

商売で使う場合は制限があります。

 

なお、この条件は小田原市の場合で、他の市町村は別対応になります。

 

ちなみに包蔵地の確認は各市役所・町役場で行えます。

 

 

 

話を本筋に戻します。

 

小田原市城山に経つ『共立鐘の台マンション』は、文化財包蔵地に建っています。

 

建設前には大規模な発掘調査を行い、調査報告書も刊行されています。

 

このマンションを売買契約したときに、お客様から重要事項の説明中、こんなことを言われました。

 

「縄文時代から生活があったと言うことは、住みやすい場所なんでしょうね」。

 

確かに、と思う言葉でした。

 

小田原では、戦国時代に自然の城壁として造成された丘や小規模な尾根があります。

 

昔とはいえ500年前に人の手で造られたものです。

 

見方を変えれば、埋立地と同じです。

 

それよりも、世紀を越えて営みがあった場所のほうが、安心感がある、ということでしょう。

 

包蔵地でマンションを選ぶ、とはいかないでしょうが、一つの着眼点でしょう。

 

 

 

□居住地が文化財包蔵地か調べてみる。



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