不動産仲介会社は、お客様から仲介手数料と言うものをいただいております。
売買の場合、売主と買主双方から、仲介手数料を支払ってもらうことができます。
もし、一つの会社で、売主と買主をマッチングできたら、2倍の手数料をいただけます。
これを「両手」と言います。
もし、売主・買主双方に別の不動産会社が担当する場合もあります。
この場合は、各々のお客様から手数料をいただけます。
これを「片手」と言います。
儲けたい不動産会社は、2倍の手間賃がもらえる「両手」になるまで、契約を引き伸ばします。
これを囲い込みと言います。
もう少し踏み込んで話すと、昔はほとんどの売買契約が「両手」でした。
だから、歴史がある会社、キャリアが深い人ほど、片手の仕事を嫌います。
「同じ手間なのに、儲けが半分になっちゃう」と言う理由からです。
大事なことは、売主・買主と関係ない要因で、売る売らないが決まってしまうことが、仲介手数料問題の肝だと思います。
さて時間は進み、今は平成28年。
不動産のホームページなどを見ていると「仲介手数料・無料」と言う物件も目にします。
これはどういうことでしょうか?
多くは「売主が売買物件の持主」と言う場合です。
売買の関係性を公式にまとめると…
買う人→(仲介手数料なし)→不動産会社←(仲介手数料あり)←売主兼持主
儲けは片手で十分です、ということでしょう。
こういう場合もあります。
買う人→(仲介手数料なし)→不動産会社=売主兼持主
売ってる人と持ってる人が同じですから、仲介手数料なんていらないよ、ってことです。
ただし、「仲介手数料は無いですけど、斡旋紹介料とローン事務手数料がかかります」なんて、看板の架け替えで実質お金を取っていたケースが、全国的にはあるようです。
商売ですから、タダでは仕事はしません。
私見をもうしあげると「不動産会社は、お客様に仲介手数料はしっかり請求すべき」と考えています。
仲介手数料は、不動産を購入して、登記も金融機関もしっかり間違いなく処理・対応するための手間賃です。
売主側の仲介の仕事は、不動産物件の調査(管理組合への聞き取りや設備の確認)、登記の確認、固定資産税などのお金の調整などです。
買主側の仲介の仕事は、住宅ローンをはじめ金融機関の調整、購入物件の説明、ライフラインの名義変更や引越屋の手配なども行います。
もちろん、重要事項説明・契約書をはじめ、資料の収集と説明義務もあります。
住んでみたら水道の出が悪いとか、設備の使い方がわからない、リフォームの手配なども仕事になります。
結構大変です。
多くの方が「不動産会社なんて、契約したらはい終わりでしょ?」とお考えでしょう。
近年、法令が厳しくなり、そんなことはできなくなりました。
ちゃんとやらなかったら、業務停止、宅建士の資格剥奪もあります。
例を挙げれば、昭和50年代の不動産売買の契約書類はA4用紙1枚でした。
現在は、50枚以上になります。
大事な不動産の契約ですから、仲介業者の義務と責任は大きいのです。
購入検討者からすれば「高い仲介手数料を払うんだから、しっかり仕事してよ」ということです。
□仲介手数料分は、しっかり不動産会社を働かせる。
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