「決済」っていったい何なの?

 

不動産の契約行為の最後の山場が、『決済』になります。

 

簡単に言えば、買主が不動産の購入金の残金を支払い、売主がマンションの鍵を買主に渡し、所有権も買主に委譲される行為のことです。

 

 

 

現金購入の場合は、お金が貯蓄してある金融機関、住宅ローンの場合は、お金を貸してくれる金融機関で行われます。

 

ただし、ネット銀行を利用する場合は、不動産会社や金融機関の事務所、場合によっては喫茶店などで行われることもあります。

 

通帳と銀行印はもちろんですが、書類の捺印のための実印や印鑑証明、多額の現金を移行するので、身分証明書、登記で減税を受ける場合は新しい住所の住民票などが必要になります。

 

また、行われる日時は、平日の午前中というケースが多いです。

 

理由は大きく二つあって、一つは、多額の現金移動に時間かがかかるので、早い時間がいいこと。

 

もう一つは、入金を確認した後に、買った不動産の謄本を新所有者に名義変更しないといけないので(基本、その日の内に)、段取りを前倒ししているためです。

 

当日の参加者は、売主側の土地の所有者全員(来れない人は委任状)、買主側のお金を出して所有権を保持する人全員(来れない人は委任状)、不動産会社の方、金融機関の方、司法書士(謄本の書換担当者)となります。

 

 

 

当日の主な段取りはこうです。

 

ちなみに説明するのは小田原市の不動産会社の一例です。

 

不動産取引は、実はローカルルールがいっぱいありますので、あくまで参考までに。

 

当日は、いつも利用するカウンター・窓口のところではなく、パーテーションで区切られたスペースか、会議室のような場所に通されます。

 

金融機関によってはお茶などが出る場合もあります(上客の場合も含む)。

 

時間になると、司法書士から再度の売却意思、購入意思の確認をします。

 

その後、登記関係(謄本)・振込用紙・出金用紙の書類を買主・売主が書きます。

 

記入する書類量がそこそこあります。

 

「自分の名前と住所のゴム印が欲しい」と言った方もいます。

 

やっとこ書き終わると、買主側が窓口(カウンター)に行って、出金をお願いします(上客の場合、行員が対応する場合もあります)。

 

ここから処理するための待ち時間です。

 

 

ローンを使用している場合は、金融機関→買主の口座に入金→売主の口座へ出金→売主の口座に着金という作業が行われます。

 

「瞬間、金持ちになったよ」と、記帳した通帳を見て話す人もいます。

 

さてその間の時間ですが、結構待ちます。

 

30分ぐらいなら「早いね」と言うことになるぐらいです。

 

特に、「3月・12月」「月末」「5等日」「連休明けの平日」「大安」は押します。

 

また、買主から売主の口座に入金するのですが、双方の金融機関が違う場合、片方が県外の場合などは時間がかかります。

 

私が経験したものですと、「購入者の住所と銀行口座に登録している住所が異なっている」ことで、急遽口座の名義変更をすることになり、時間がかかったケースもあります。

 

また「沢」と「澤」、「峰」と「峯」、「斉」と「斎」と「齋」など、名前の書き間違えで処理が止まってしまうこともあります。

 

まぁ、大金が動いているわけですから、ある程度の時間は仕方が無いとは思うのですがね…。

 

なので、この時間を利用して、マンションの利用者変更・ペット飼育・リフォーム工事申請の書類書きや、電気・ガス・水道の名義変更、火災保険の加入、売主さんから買主さんへの周辺地域の情報伝達などに使う場合が多いです。

 

その点、ネットバンキングの場合は、その場でスマホを操作して、1分かからず「終わりました」ということもあります。

 

というわけで、ほどほどの時間が過ぎると、行員から「終了しました。出金しました」と連絡が入ります。

 

その場で、司法書士や不動産会社(仲介手数料)への手間賃など現金での支払を行います。

 

最後に旧持主から新持主に鍵や設備書類が渡されて終了となります。

 

 

 

余談を言えば、「決済が終わらないと引越しやリフォームはできない」ということです。

 

決済が終わるまでは、旧所有者(売主)のものです。

 

だから契約が終わったからといって、荷物を先行して入れたり、リフォームをすることは、売主の許可が無い限りできません。

 

なので、午前中に決済→午後に引越しという強行スケジュールをする人もいます。

 

決済で鍵を預かったのに、その場でリフォーム会社の人に鍵を渡す人もいます。

 

 

 

□決済が終わると、買主が所有者に変わる。

 



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