マンションの売買物件で『格安』として、テレビなので紹介されるのが『事故物件』。
「このマンション、何でこんなに安いのだろう?」と思って、資料を再見していると『告知事項』と言う文字。
知ったかぶりはできるけど、詳細は…と言う方が多いと思います。
『事故物件』とは「人為的瑕疵」ともいえます。
噛み砕くと「売買する部屋で何かしらのトラブルが人の手によりおきている」ということです。
『告知事項』とは、「言わなきゃいけないことがあって、言わないと不動産会社がペナルティ受けるよ」ということです。
具体的にはどういう場面があるのでしょうか?
たとえば、室内で住人が亡くなるということがあると思います。
一昔前は、家で最後を迎える場合がほとんどでしたが、現在は、多くが病院となるわけです。
もし、室内で最後を迎えた場合は、告知事項として「室内で人が亡くなっています」ということを購入検討者に伝えなければなりません。
この部屋でなくなりました、まで伝える義務が不動産会社には課せられています。
病死より重くなるのが『孤独死』です。
多くの場合は、親族や友人、隣人が住民と連絡が取れないことに気付く→管理会社や警察の立会いの元、合鍵で入室→遺体発見、となるわけです。
余談ですが、不動産会社(特に賃貸業)に従事する人は、このような場面に立ち会うことが間々あります…。
発見されるまでの時期(夏は厳しいです…)、時間、場所(風呂は厳しいです…)によって、建物への痛みが厳しくなります。
なので、大抵の場合は、リフォームを行い、「そういうことがありましたが、その時の形跡はありませんよ~」と言って販売することが多いです。
そして一番キツイのは『自殺』です。
対応は孤独死と同じですが、マンションの場合、隣人含めた同居する住民に、その事情が知られていることが大きいです。
仮に買って賃貸に出す場合も、事件のことを伝えなければいけない義務(告知)があります。
ただ、「事故物件」を承知で数ヶ月住んでもらい、退去する→告知する義務が取れる→自殺のことを言わずに売買や賃貸する、というビジネスモデルもあるそうです。
小田原の場合は、そこまで手をかけずに、フルリフォームして安くして売却してしまうケースが良く見られます。
住民の死去以外であるのが『火災』です。
その部屋から出火して住民焼死→フルリフォーム→販売、というケースも多いです。
また、出火元ではないですが、事故物件と言うパターンもあります。
たとえば、10階建ての8階から出火して火事になったとします。
火は上に行きますから、9階・10階も被害を受けるわけです。
それだけではありません。
消防車がいっぱい来て、消火活動するわけです。
放水は、もちろん10階に向けて行われるわけですが、下の階には消火に撒かれた水がこぼれてくるわけです。
聞いた話ですと、壁やクロスが湿気を帯びて、到底住める状態ではなくなる、とのことです。
火災から半年たっても、壁紙が剥がれるなどの被害も出るそうです。
当然、こういう場合も『事故物件』として扱われます。
これ以外にも私が経験したものでは、「盗難」「警察が捜査のために立ち入る→現場で逮捕」「非行グループのたまり場」といった告知がありました。
現在は、ルールが厳しくなって、購入者が不都合になる情報はすべて開示することになっています。
「事故物件」「告知事項」が無くても、聞く習慣を持ってもいいと思います。
□「この部屋、特に何も無いですよね」と聞いてみる。
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