私たち、不動産会社の営業マンも、皆さんと同じように、スーモやアットホーム、ホームズのような住宅系ポータルサイトを検索します。
理由は、東日本不動産流通機構『レインズ東日本』という、正式な不動産流通サイトに掲載せず、前記のサイトに挙げている物件を調べるからです。
なんでそんなことをするのでしょうか?
理由は、売主も買主も自分たちで探して来れば、1度の契約で両方から手数料が取れるからです。
これを「両手」といいます。
このあたりの説明は、以前のブログでも触れていますので、ぜひお目通しください。
今回の本題はそこではありません。
各物件の写真を見ていると、おしゃれな家具や小物とともに写した室内写真を目にすることがあります。
ベッドなどの家具や、テレビなどの家電だけでなく、調理器具や調味料が映り込んだキッチンの写真もあります。
物件の詳細を見ると、大抵「居住中」という文字が見受けられます。
お住まいのオーナーさんが、嗜好を凝らして撮った一枚だと思います。
ガリガリ君を食べ終わって、棒に何も書いていないぐらいの、ちょっとしたがっかり感があります。
不動産屋さんとしては、居住中物件より、空室物件の方が、販売しやすいと考えます。
不勉強ながら、はっきり言えば、成約率も高いはずです。
その要因はなんでしょうか?
まずは、「お客様のタイミングで内覧できない」というのがあります。
居住中の物件は、内覧希望者に、複数の希望日時を上げてもらい、売主と調整することが一般的です。
人気がある物件、掘り出し物の場合が、売主が日時を指定して内覧する場合もあります。
営業マンとしても検討者としても、煩わしさが伴います。
「内覧時に住人である売主からの、そとはかとない圧を感じる」というのも理由の一つです。
壁を向いたまま微動だにしない御婆ちゃんや、最初から最後まで吠えまくる犬、一切姿を見せない飼い猫など、軽い伝説もあります。
ものすごい買ってくれマインドが高い売主さんが、終始物件の良さを説明する時もありました。
そんなことに、ご検討者様が目の当たりにすると、完全に「引いて」しまうわけです。
そして最大の要因が「モノの多さ」です。
家具や家電、生活用品で持ちあふれた部屋は、新しいマンションを買うという幻想を、一気に現実に戻してしまうのです。
「モノがあると、生活感がわかっていいのでは」という人がいます。
端的に言えば、それは押し付けです。
生活感は人それぞれ違うのです。
「おしゃれな生活を提案したい」といって、家具・インテリアを置いていく場合もあります。
端的に言えば、それも押し付けです。
おしゃれは人それぞれ違うのです。
私見ですが、基本何もない部屋が、一番説明しやすいです。
ご検討者様によっては、リフォームして部屋の間取りを変える人もいます。
味付けを担当するリフォーム会社や電気屋さんではなく、素材を担当する不動産屋だから言えるのです。
「モノがあったら、部屋が狭く見えますよ」って。
□必要なのは、生活感でもおしゃれ感でもなく、「広さ感」。
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