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漫画「正直不動産」から不動産の営業マンの本性を垣間見る。

遅くなりましたが、今年初めてのブログになります。

今年もよろしくお願いします。

 

さて昨年の年末に、セブンイレブンに買い物に出かけたとき、書籍の中に1冊の漫画に目が留まりました。

ビックコミックス(小学館)に連載中の「正直不動産」の4巻でした。

大谷アキラ氏の作品です。

ザックリのあらすじを書きます。

主人公は、中央線沿線に事務所がある不動産会社の営業マンです。

営業も順調でしたが、自分が担当した売地の敷地内にあった石像を壊したことで、呪いで嘘がつけなくなります。

その影響でいろいろな顛末に巻き込まれるという話です。

話が東京の話なので、小田原のスケールからするとかなり大きい話になっています。

また専門用語が多いので、噛みごたえが強い漫画ですが、面白い漫画だと思います。

ネットでも読めますので、お勧めします。

アマゾンのタグを張っておきます。

https://search.yahoo.co.jp/image/search;_ylt=A7dPSPnQPkRcBDgApDSJBtF7?p=%E6%AD%A3%E7%9B%B4%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3&fr=top_ga1_sa&ei=UTF-8#mode%3Dsearch

 

さて、大事なことに触れておきます。

手品師が、嘘がつけなくなったら、仕事ができなくなります。

これは、一般の方にご理解いただけることだと思います。

問題は、「不動産の営業マンが、嘘がつけなくなったら仕事はできないか?」ということです。

答えは、できなくなりません。

もちろん、仕事はできます。

ただ、漫画の中でも描かれていますが、「売上が減っていく=仕事が減っていく=結果が残せなくなる」ということです。

 

呪いがかかる前、主人公がこんな説明をします。

「不動産の営業マンは、『千三つ(センミツ)』。千回しゃべって、ほんとのことは三つしかない」。

せんだみつおの名前の由来がここで出てくるとは思いませんでした。

実際のところは、昭和の不動産営業には合っていますが、平成の不動産営業には合っていない言葉です。

説明責任が強い今は、「都合のいいことは誇大して話し、都合の悪いことは、説明しないか過小して話す」だと思います。

まったくの絵空事まで口にすることはないです。

リアルに脚色するか、閉口するかです。

では、正直な営業マンより、嘘をつく営業マンのほうが売り上げを作れるのでしょうか?

 

ものを購入する場合、買い手にとって最悪なことは「粗悪品・不良品を高く買う」ことです。

「なんでそんなの買っちゃったの?」「なんでそんなに高く買っちゃったの?」と他者から言われたら、目も当てられません。

不動産の場合、金額が大きいだけに、なおのさらです。

どの不動産会社、売り手にとって最高なことは「クセが強い物件を高く売る」ことです。

「日当たりが悪い」「駅から遠い」「軟弱地盤」「人がなくなっている」「隣人が変人」など、上げたらきりがないです。

『正直』に言えば、それを売り切れる人が、ほかの営業マンが売れない物を売るわけですから、結果を残せる人です。

よく言えば「うまくマッチング(物件とお客を繋げる)できる営業マン」、悪く言えば「お客に押し付けられる営業マン」なのです。

日当たり悪い物件は共働き、駅から遠いのは広い敷地を求める人かリタイヤシニア、軟弱基盤はハウスメーカーと協議して落とし所を見つけ、隣人が変人なら耳が遠いお年寄りに売ればいいのです。

もちろん、市価より安く変えたことを、時には理論的に、時には熱っぽく話すわけです。

そうすることで、「いい物件を安く買えたよ」という言い訳を与えているわけです。

 

逆説的に言えば、世間はお客が正直な営業マンより、自分の意見を補完してくれる営業マンが求めているということです。

 

□正直な営業マンは千人に3人としか生き残れない、不動産業界。

 



2020年完成予定の小田原のマンションチラシを見ながら、平成マンション事情を斜め見する。


小田原マンションスクエア・ランキング総括2018下半期