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「令和」を前に小田原の中古マンションを見て、気づいたこと。

あともういくつ寝ると、「令和」になります。

新時代の突入です。

ただ、昭和から平成の移り変わりを体感している世代としては、「なんだかんだで、いつの間にやら体が令和に慣れているのだろう」と思う人が多いはずです。

その一人が、私です。

 

さて、前回の改元とは、いろいろな違いがありました。

出展が、中国古文ではなく、日本の古典「万葉集」であることも一つです。

候補だった、6つの言葉が、すでに明らかになっていることも一つです。

そして、大きな要因であることが、「事前に改元時期が明らかになっている」ということです。

 

そんな最中、小田原という日本の一都市で、中古マンションを中心に、物件や市場調査を続けていると、二つのことに気づきました。

一つは、「中古マンションの物件があまり市場に出回っていない」こと。

簡単に言えば、品薄であることです。

政府の見解でいえば、「いまだ好景気」ということですから、不動産を中心にした資産の流通は活発になるものです。

もちろん、小田原という市場が冷えている、ということも大きな要因です。

しかし、プレミスト小田原栄町や、さがみ信用金庫緑町支店の反対側、竹の花交差点など、新築マンションの建設も動きを見せているなか、あまりにも静かです。

 

もう一つは、「既存の分譲マンションの大規模修繕工事が活発に行われている」ことです。

マンションに下見へ行くと、足場が組まれ、外壁塗装用に布で囲まれた物件をよく見かけます。

大規模修繕工事は、5年から10年の間隔で、貯めた(貯まらない場合は一時金を徴収したり、借入した)修繕積立金を原資に、共有部分を中心にリフォームするものです。

外壁塗装や屋上の防水加工など建物維持だったり、機械式駐車場の変更やエレベータの新設、集会場や広場の改修、宅配ボックスの設置など、マンションの新たな価値を高める場合もあります。

なぜこの時期に…と思っていましたが、菅官房長官が「令和」と発表してから、謎が解けました。

 

端的に言えば、「売り手は『令和』という言葉に乗っかりたい」ということです。

新築マンションの売り手でいえば、平成築よりも、令和築のマンションを売りたいのです。

平成31年築のマンションはありませんが、令和元年以降の建設予定は数あります。

中古マンションの売り手でいえば、平成に大規模修繕工事済よりも、令和に大規模修繕工事済と謳いたいのです。

そして景気が悪くならないうちに、新築マンションが売り始めて、商品価値が下がる前に売り抜けたいから、このタイミングに修繕するのです。

以前にも触れましたが、平成というブランドが、昭和まで落ちてしまうわけです。

加えれば、昭和はさらに遠くになりにけり、です。

「新時代の令和にマンションを売った。しかも新しいお札で」というトレンドを狙っているわけです。

 

もう一つの判断要因が、「消費税10%」です。

予定通りでいえば、今年の10月からです。

そのあおりをうけて、新築住宅を購入する人の土地購入のピークが、今年の1月から3月にありました。

この時期に買わないと、9月末に建物の引き渡しが間に合わないからです。

もちろん、個人間売買の場合、消費税はかかりませんが、仲介手数料や引っ越し代、家具家電代は消費税がかかります。

だからこそ、中古マンションでは?ということを考えておくべきです。

 

 

□小田原の中古マンション市場は、令和元年5月から9月にバネる。



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