日本には「物を大事に扱い、後世につないでいく」という文化がありました。
資源が少ない国ですから、『使い捨て』という考え方が生まれなかったのでしょう。
だから、売り手として、昔から常套句として使われたのが「一生物の買物ですよ」というものです。
着物の訪問着などは「娘へ孫へと引き継がれていくものですから」と言って、悩んでいるお客の背中を押しました。
平成になって、着物はニーズが無く、古いものの多くは「布ゴミ」として扱われています。
真珠のネックレスは「冠婚葬祭の場面は、ずっと起きるものですから、ずっと使われるものですよ」と言って、悩んでいるお客の背中を押しました。
平成になって、昔のデザインの真珠のネックレスは高い値段が付きづらいもの。
特に昔の「純白の真珠」は喪の場では、ふさわしくないという風潮もあるぐらいです。
高級車を買わせるときも、同様のセールストークが展開するわけです。